金融教育
関西国際学園は金融教育を初等教育から積極的に導入しています。金融リテラシーは、読み書きと同様、早い段階で身に着けるべき基本要件であり、子どもの頃に養った金融の習慣は、大人になっても続くと考えるからです。政府と日本銀行はペイオフが解禁された 2005 年を「金融教育元年」とし、現在に至るまで様々な取り組みが行われていますが、学校教育において金融分野の取り扱いが不足している問題はますます顕著化しています。日本では「お金」について教育で扱うことはタブーとされてきており、今現在もその状況はさほど変わっていませんが、海外の先進諸国では初等教育から長期にわたって行われ、国のカリキュラムにも導入されています。
金融教育を定義すると、「お金や金融のさまざまな働きを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やより良い社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育」(金融広報中央委員会2007)となります。「自分の生き方や価値観を磨く」には、社会生活における「信用」の重要性といった道徳観念から、勤労観・職業観の醸成、金融サービスの活用方法、さらには多重債務や金融犯罪からどう身を守るのか、といった事柄までが含まれており、その役割は多岐にわたります。「お金」を切り口に、さまざまな事柄に多角的にアプローチしていく点が金融教育の大きな特徴であり、経済環境・社会環境が多様化・複雑化するなか、金融教育は、いわば一人ひとりの「生きる力」を育む教育なのです。